毛髪の構造は非常に複雑です。
ヘアケア用品を選ぶ時や、サロン・美容室での施術の内容や使用薬剤を理解するために、
また、状態や原因、改善方法などをご説明する時などにも用いますので
まずは各部位の名称を覚えましょう。
毛髪の構造は非常に複雑です。
ヘアケア用品を選ぶ時や、サロン・美容室での施術の内容や使用薬剤を理解するために、
また、状態や原因、改善方法などをご説明する時などにも用いますので
まずは各部位の名称を覚えましょう。
【毛幹】頭皮の外に出ている部分で、すでに死んだ細胞です。
【毛根】皮膚に埋もれている部分です。
【毛球】毛根の下端の部分で、丸いふくらみがあります。
【毛母細胞】毛球の底にあり、分裂を繰り返しています。
【毛乳頭】毛球の下から入り込んだ部分です。
毛乳頭部分は毛細血管から酸素や髪の成分となるアミノ酸やミネラルを吸い上げて
毛母細胞が分裂するための栄養を供給しています。
毛球部分で作られた髪は角化し、下から押し上げるようにして成長します。
毛髪は毛穴の中で作られます。この【毛穴】とは皮膚の表面にある【表皮】の一部が、
身体の内側に向かって侵入して【毛包】と呼ばれる円柱状の組織を作っている部分を指します。
健康な毛髪の生成には、頭皮の状態が大きく影響しています。
毛幹は3つの違う組織から成り、一番外側から
【キューティクル】→ 【コルテックス】→【メデュラ】と呼ばれています。
どれもが死んだ細胞なので痛みなどの感覚は無く、自己修復機能もありません。
毛髪の主成分は ケラチン蛋白質です。
このケラチンは 18種類のアミノ酸から構成されています。
更に このアミノ酸は 五元素から成り立っています。(五元素=炭素・酸素・窒素・水素・硫黄)
このうち炭素が最も多く、約半分の比率を有します。酸素は 20%、窒素は 15%~20%の含有量です。
硫黄の存在量は少ないものの、ケラチン同士を結び付けるのに役立っています。
パーマネントウェーブは 硫黄の結合(シスチン結合)を薬剤によりの一旦切り離し、
髪の形状を変えた後 別の薬剤で再び硫黄を結合させることによって、髪の形状を固定する技術です。
髪が生まれてから抜けるまでの周期をヘアサイクルといいます。
ヘアサイクル、すなわち髪の寿命です。
本数や成長速度は個人差が大きく、また、環境・状況・加齢によって大きく変化します。
日本人の場合1サイクルは 男性で3~5年、女性で5~7年と言われています。
1サイクル=髪の寿命です。又 部位によっても違い、生え際の髪は4~9か月程になります。
平安時代の女性の長髪は足し毛によるもので、ギネスブックの認定では5m以上・6m以上・・・
最近では18.9mの男性が世界記録申請したようですが、これは 極めて稀な例です。
約10万本~12万本といわれていますが個人差が激しく、
髪の多い人では14万本、少ない人では8万本ほどと大きな開きがあります。
毛髪を作る毛包の数は 生まれた時から決まっています。
一つの毛穴から毛髪は1本~多い人で5本前後生え、これらが新生と脱毛を繰り返しています。
毛髪は一定期間成長を続けると成長は止まり、脱毛して行きます。これを自然脱毛といいます。
ヘアサイクルから計算すると、抜け毛は1日当たり50~100本あることになり、
この程度の抜け毛は 自然な生理現象といえます。
1本1本の毛髪の自然交替が、それぞれ違う時期に違った周期で繰り返されているため、
全体としては脱毛と新生とのバランスが保たれています。
これが老齢になると100本~150本となり、頭髪が薄くなって行きます。
又、生活環境や季節により、脱毛数は 変動します。
健康な抜け毛の根元はマッチ棒の頭のような形状で、白く乾いています。
このような抜け毛は成長期→退化期→休止期→自然脱毛という正常なヘアサイクルを経ているため
毛髪生成も正常に機能していると考えられ、脱毛後また健康毛が生えてきます。
毛根で作られた細胞が、どんどん毛幹に押し上げられるようにして髪は伸びていきます。
個人差や部位によってスピードが異なる為、一般的には 1ヶ月=1㎝と言われる事が多いようです。
1番活発な時期で1日に0.2~0.5㎜。1ヶ月では 9~15㎜となります。
夜よりも日中、特に午前10時から12時までの間に一番よく伸びます。
一年の中では春から夏にかけての5・6月ごろが最も成長が早いと言われています。
根元から15cm程度の毛髪の部位は生えてから10カ月以上が経過しているため、
根元の髪の状態と比較すると、コンディションもずいぶんと違います。
毛髪は皮膚の表面に出ている毛幹と、皮膚の下に埋もれている毛根で成り立っています。
毛髪は毛根にある毛母細胞が分裂・増殖を繰り返し、毛髪を作っています。
毛根部分は皮膚の表面が内部に入り込むようにして出来ている鞘状の袋(毛包)で保護されています。
毛根の根元のふくらみは毛球と言い、その中に毛乳頭を取り込むような形状になっています。
毛乳頭には毛細血管が入り込んでいます。
毛乳頭を取り巻くように接する毛母細胞は毛乳頭の毛細血管から栄養を与えられ、細胞分裂を行います。
身体を作る細胞の中でも毛母細胞の分裂は盛んで、絶えず分裂・増殖を繰り返しています。
毛乳頭の真上の部分は髪の本体であるキューティクル・コルテックス・メデュラを作る部分と考えられています。
この部分には色素細胞のメラノサイトが分裂・増殖し、多くは コルテックス内に取り込まれ髪の色となっています。
毛母細胞は生きた活動している細胞ですが、
分裂・増殖を繰り返しそれぞれの髪本体を構成する細胞に変化する時点で角化(核を失い死んだ細胞)します。
そして下から新しい細胞の分裂・増殖したものが押し上げることにより髪を伸ばしていきます。
毛母細胞は身体の中で最も活動が活発な細胞である為、多量の栄養や酸素を必要とします。
髪の成長には充分な栄養が供給されるよう、頭皮の血行を促進することはもちろん、その血液の状態も影響します。
元々、髪は透明に近い白い色、又は灰白色をしています。
毛母細胞内にあるメラノサイトで作られたメラニン(Melanin)の多くが
コルテックス内に取り込まれて髪の色となります。
メラノサイトはメラニンを生成するので色素細胞とも呼ばれます。
メラニン色素には2種類あり、その含有量によって髪の色が決まります。
メラノサイトが機能しなくなるとメラニン色素が供給されず、白髪(元々の色)になります。
ユーメラニン黒~茶褐色
フェオメラニン赤褐色・黄色(濃度が高いと赤味、低いと黄色や象牙色に見える。)
脱色(ブリーチ)をすると先にユーメラニンが破壊されます。
フェオメラニンはゆっくりと破壊されて行くため、残量が多いとオレンジに、
破壊が進んで含有量が少なくなるにつれ黄色→白っぽく変化します。
メラニンはメラノサイトの中で合成されています。
皮膚では表皮の最下層にある基底層、毛髪では毛球内にある毛母細胞に存在します。
メラノサイト内でのメラニンの生成過程はとても複雑です。
アミノ酸の一つであるチロシンにチロシナーゼ(フェノールオキシダーゼ)という酸化酵素が働き、
まずはドーパ(DOPA)という化合物に変化します。
ドーパにもチロシナーゼが働き、更にドーパキノンという化合物に変化させます。
ドーパキノンは酵素の力を必要とせず、ドーパクロム→インドールキノンへと反応・変化し、
最終的には酸化・重合によってメラニンとなります。
そしてメラニンはメラノソームという小胞(細胞膜に包まれた袋)に貯蔵された後
細胞内を移動し、皮膚や髪を作る細胞に取り込まれます。